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こんにちは! エネルギーチームの鈴木かずえです。

裁判でNO!となった原発が合格?!

大飯原発3,4号機には2014年に福井地裁の運転を差し止める判決が下されました。

関西電力が判決に異議を申し立てて、さらに裁判で争っている最中です。

そのさなかに再稼働の審査が合格になるとは。

ここでパブコメを出しておくことは、差し止め判決への応援にもなります。

ぜひ、出しましょう。

提出は簡単です!このブログの下で提出方法も説明しています。

 

裁判所が大飯原発をとめたわけ

大飯原発3,4号機が裁判で差し止めとなったのは、以下の理由からです。

1)大飯原発に、関西電力が予測している大きさ以上の地震が到来する恐れがあることがあること

2)大飯原発が、関西会社が予測している規模の地震であっても施設が壊れる可能性があること

元原子力規制委員長代理の島崎邦彦氏も、政府が予測した最大の揺れは過小評価の可能性があると指摘しています。氏は、原子力規制委員会に、評価のやり直しを求めましたが、実現していません。

たくさんのパブコメが集まることは、全国で問題意識が高まっていることを伝えることにもなります。

 

グリーンピースも出しますよー。

フランスで原発部品の強度不足が発覚し、18機の原発が検査したり、止まっていたりしたのをご存知ですか?(くわしくはこちら

実は、そのうちの12機の強度不足の部品、日本の会社が作ったものだったんです。

その会社とは「日本鋳鍛鋼株式会社」。

また「日本製鋼所」も、フランスの原子力安全局により調査の対象となっています。

「日本製鋼所」は、大飯原発の原子炉圧力容器の蓋も作っています。

 

(図:原子力規制委員会の資料より。上鏡とあるのが蓋です)

そこで、グリーンピースではこの問題を中心に、強度不足のリスクを喚起するパブリックコメントを提出します。グリーンピースのパブコメ全文は、このブログの最後に掲載しています。

先にあげた地震や、この強度不足以外にも大飯原発には多くの問題があります。

使用済み核燃料の保管場所がもうすぐなくなる。

・関西1500万人に飲料水を提供する琵琶湖が50キロ圏内に。

・再稼働に際し、住民の意見を聞く公聴会が開かれていない。

などなど…. 

美浜の会」の情報も参考になさって、ぜひ、パブコメをかいてください(

 

パブコメには、こんな効果も。

パブコメは出しても反映されないからなぁ、という方、ちょっと待って。

こんな効果もあります↓

直接国の規制を司る原子力規制委員にあなたの意見を読んでもらえる

公開されるので、問題点を共有でき、より明らかにできる

「反対意見が多数」などと報道されたりして、世論づくりにもなる

あなたが出せば、かならず、一通増えます。ぜひ。

また、ぜひ、このブログをシェアしてください。

 


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 パブコメの出し方 3通り

政府のウェブのフォームから 

こちらのサイトに行き、下までスクロールして、下のほうにある黒色の「意見提出フォーム へ」ボタンをクリックして出てくる、フォームにご記入ください。2000文字まで、となっていますが何通でも出せますので、2000文字を超える場合は、何回かに分けて提出してください。

 

FAXで 

こちらのサイトに掲載されている「意見提出用紙」をダウンロードし記入、または、この用紙の要領でワープロ書きなどしたものを 03-5114-2179 (原子力規制庁)へFAXしてください。

 

郵送で 上記の「意見提出用紙」に記入、または、この用紙の要領でワープロ書きなどしたものを、下記へ送ってください。

〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル

原子力規制庁 原子力規制部安全規制管理官(PWR担当) 宛て

 

【締切】 2017年3月24日(金)(郵送は24日必着、FAX、ウェブフォームは日付が変わる夜中の12時より前に十分に余裕をもって出してください)

「審査書案」はこちらのサイトの「関連情報」からダウンロードできます。

 

グリーンピースのパブリックコメント

 

フランスで発覚した日本製鋼材の過剰な炭素濃度

フランス国内原発の18基で使用中の蒸気発生器水室に、炭素濃度の高い領域のあることが確認されています。そのうちの12基中の蒸気発生器水室の鋼材は日本鋳鍛鋼株式会社により製造されたものです。

仏国原子力安全局は、日本鋳鍛鋼株式会社により製造された炭素濃度の高い領域を持つ可能性のある鋼材について、原発を止めて、実機での超音波、発光分光検査などの非破壊検査を行なっており、試作機を利用しての破壊検査も予定もしくは実施中です。

先行的な検査では、トリカスタン原発に使用されている蒸気発生器の水室において0.39%という炭素濃度の高い領域が見つかりました。これはフランスの規格である0.22%を大幅に上回っており、日本で使用されているJIS規格の0.25%をも大幅に上回っています。

これに対し、フランスの原子力規制機関に助言を与えている仏放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は、当該の機器が強度不足により破壊、炉心むき出しから溶融にまでつながるリスクを有すると警告しています。

 

大飯原発で使用中の日本製鋼所製鋼材も調査の対象

また、日本製鋼所製の部品もまた、調査対象となっています。日本製鋼所によりフランスの原発に供給された部品に炭素濃度の高い領域があった可能性について、フランスの原子力安全局の公表文書は2件、示唆しています。一つは、フラマンビル 3 号の蒸気発⽣器⽤の部材について発⾒ された数々の「不規則事象」(⼀般的に、不正記録と理解されている)に関連したものです。もう一つはフランスの 1300MWe シリーズの 原発⽤の第 2 期取替蒸気発⽣器プログ ラム⽤のチューブシート(管板)と 楕円形ヘッド部材における炭素濃度の高い領域の相当範囲の広 がりに関連したものです。さらに、これまで公表されていない原子力安全局の⽂書で、フランスの原⼦⼒機器サプ ライ・チェーンに⽋陥のある日本製鋼所の部材が⼊っていることを暗⽰するものもあります。これらの⽂書の第⼀のものは原⼦炉圧⼒容器部品の製造⼿順の省略・⾮順守・⾮適合などに 関連するもので、4 つの蒸気発⽣器の楕円形ドーム、ボトム・チャンネル・ヘッド、 チューブシート(管板)のそれぞれと、加圧器に関するものです。第⼆の⽂書は、他 の N1クラスの 耐圧機器部材のうち、3 つの蒸気発⽣器部材が関係しているものです。これらについての詳細について、日本の原子力規制委員会は明らかにすべきでしょう。

さらに、日本製鋼所が原子力規制庁に提出した資料では、「炭素偏析は鋼塊Top側軸心に生じやすいことから、これを除去するために鍛造初期に押湯の部分的な切捨を実施している。また、回転成形にて生じる余肉によって炭素偏析領域を除去している。最終製品は、鋼塊復元イメージに示す通り、成分濃化部が無い領域に位置することから、C量0.26wt.%を超える偏析の残存はない」としています。そして日本製鋼所は予測式に従って中間プレート機械加⼯段階で偏析領域を除去するといってるのですから、 偏析領域の存在を認めていることになります。その製造プロセスで炭素濃度の高い領域が存在しているならば、その後のプロセスでその領域が除去されたことが証明されなければならないが、除去された部分の重量の記録や化学分析などによる証明はいまだされていないにもかかわらず、原子力規制委員会は日本製鋼所の「除去するために(略)切捨が行われる」という自己申告により問題なしとしてしまっています。

大飯原発3,4号機には、日本製鋼所製の原子炉圧力容器上蓋、日本製鋼所製の原子炉圧力容器下鏡および胴部が使用されています。大飯3,4号機で使用された鋼材の健全性の確認のため、少なくとも非破壊検査を行うべきであると言えます。

 

フランスで実施された実機での検査を日本でも

フランスでは、先行調査で1万件以上の過去の文書を調査させ、“不規則事象”を確認したため、定期検査中のものは、先行的に検査し、稼働中のものについても順次停止させて検査をしました。

2016年12月に仏国原子力安全局が停止させた原発のいくつかの再稼働につき、急な温度変化を与えたときのリスク評価や、実物大試作品を作らせての破壊検査の実施、などのより詳細な検査とリスク評価を電力会社に要求しています。

原子力規制委員会は、2016年11月22日、第45回原子力規制委員会において国内の原発の部品には「規格を超える炭素濃度のおそれはない」という判断をしました。

その判断は、電力会社からの報告書、製造メーカー提供の資料と面談により導き出されたものですが、電力会社からの資料は、製造当時の記録やデータであり、実機の当該部分の検査結果ではありません。

フランスの場合も、製造当時の記録やデータではフランスの規格を満たしていたはずです。それが、検査によって、炭素濃度についての規格を満たさない鋼材があったことが発覚しました。日本でも、文献調査だけでなく、実機の検査が必要です。

以上について、ぜひ、グリーンピースの報告書「⽇本の原⼦炉の⼀次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー 最終第⼆部及び三部 ⽇本の原⼦⼒発電所内に存在する⽋陥を有する可能性 のある部材」をご参照ください。

日本の原子力規制委員会は、書類の検査で「問題なし」と判断してしまいましたが、フランスのように現物の検査(非破壊検査、破壊検査など)が必要です。

グリーンピースは、日本の原発の現物の検査を求めて活動しています。
ぜひ、署名にご協力ください。
すでに署名してくださった方は、ぜひ、この続報を広めてください。

日本でも、強度不足が疑われる部品の、現物の検査を!

ぜひ、「いますぐ検査を」署名にご参加ください。

「いますぐ検査を!」署名する >

 

 


 

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