自然エネルギー革命のための5つのステップ


「グリーンピースは何を目標に活動しているのか?」という質問を受けた。

「原発の再稼働を止める」というグリーンピースの活動のその先が見えにくいということから、質問したということだ。

そのような質問に答えるために、グリーンピースのエネルギー分野での、長期的な目標とそれを達成するための工程表「自然エネルギー革命へ グリーンピースの考える5つのステップ」を紹介したい。


「再稼働ストップ」は重要な第一ステップ


この工程表は、2011年9月にグリーンピースが発表した「自然エネルギー革命シナリオ 2012年すべての原発停止で日本がよみがえる」の内容をシンプルにしたものだ。

ラフなものであるが、どのような視点でグリーンピースが活動をしているかの目安になると思うので紹介する。


「原発の再稼働を止める」ことはグリーンピースのエネルギー分野における最終目標ではない。

グリーンピースは「未来世代に安心・安全なエネルギーを提供すること、CO2を削減して気候変動を防ぐこと」をエネルギー問題の最終目標にしている。

「再稼働を止める」というのは原発にどっぷりと依存してきた日本社会において、ゼロからエネルギー政策を議論しなおすためのステップとして考えているに過ぎないという考えだ。

今年の夏、政府が様々なエネルギー政策を議論する。この政策議論を原発ゼロの状態で行うことが重要だ。

本当に電気が足りないのか、コストはどれぐらいなのか、現実に起きている事象を検討し、それを政策に反映させていくプロセスが原発ゼロではじめて実現する。


2012年~2020年は「転換期」、CO2削減とエネルギー自給率UPを


グリーンピースは2012年にすべての原発を止めることを提案している。

しかし、日本のすべての電気をすぐに自然エネルギーでまかなうことを訴えているわけではない。

2012年から2020年を「転換期」とし、天然ガス火力発電で原発分を補いながら、省エネ、自然エネルギーの普及を急速に進め、徐々に天然ガス火力への依存度も下げていくという方法を提案している。

これにより、CO2削減と、天然ガスの輸入コスト削減を目指し、自然エネルギーによってエネルギー自給率を上げていくことが可能だと考える。


廃炉による雇用創出

「原発がなくなれば雇用が失われる」という意見がある。

しかし、ドイツでも「廃炉」作業によって雇用が生まれており、職種こそ変わるかもしれないが、原発関連の雇用が失われるということはない。

脱原発を宣言し、「廃炉作業」による雇用維持、そのうえで省エネ・自然エネルギーの普及という日本の得意分野での雇用創出を目指すべきだ。

 

このブログは、事務局長の佐藤潤一が書いています。

Twitterでも発信しています⇒  @gpjsato