記事 - 2011-11-24
大手スーパーマーケット5社を対象に、魚介類商品の放射能汚染問題への取り組みについてアンケート調査を行い、その回答を点数化、ランク付けしました。
概要
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グリーンピースはこれまで、消費者の内部被ばくのリスク低減と、漁業再開の支援を目的に、国内の大手スーパーマーケット5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー(アピタ)、ダイエー、西友)に対し、魚介類商品における自主放射能検査の実施と結果公表、政府の定める高すぎる暫定規制値にとらわれない独自の流通基準の策定と公表、そして漁獲海域の明示を要請し、各社と対話を続けてきました。
「お魚スーパーマーケットランキング」は、同5社を対象に、魚介類商品の放射能汚染問題への取り組みについてアンケート調査を行い、その回答を「仕入れ基準」「販売基準」「放射能測定体制」「消費者への情報提供」「政府への働きかけ」の5つの項目に分け、点数化しランク付けしたものです。
結果
ランキング |
企業名 |
仕入基準 |
販売基準 |
放射能 測定体制 |
消費者への 情報提供 |
政府への 働きかけ |
1位 |
イオン |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
2位 |
イトーヨーカドー |
○ |
△ |
△ |
△ |
○ |
3位 |
ダイエー |
△ |
△ |
× |
△ |
○ |
4位 |
ユニー (アピタ) |
× |
× |
× |
× |
○ |
5位 |
西友 |
△ |
× |
× |
× |
× |
上記結果の元になった、グリーンピースからのアンケート調査票の内容と各社からの回答、およびその回答に対するグリーンピースの評価 >>
評価項目について
- 仕入基準
- 仕入基準の有無、また基準内に放射能汚染に関する項目が含まれているかどうか
- 販売基準
- 政府の定めた暫定規制値よりも厳しい独自基準の有無、販売商品の漁獲海域および漁獲日を把握しているかどうか
- 放射能測定体制
- 自社または外部機関で測定する体制が整っているか
- 消費者への情報提供
- 放射能汚染のレベル、水揚げ港ではなく漁獲海域、消費期限や賞味期限ではなく漁獲日の表記の有無
- 政府への働きかけ
- 日本政府に対して、放射能調査や調査結果の発表、販売基準の強化、および魚介類摂取によるリスクや安全性に関して市民への情報提供を要請しているか
まとめ
(c)Greenpeace/Kazuya Hokari
イオンは2011年11月8日に、グリーンピースや多くの消費者からの要請に応え、放射性物質の自主検査品目数の拡大や、政府が定める高すぎる暫定規制値にとらわれない独自の流通基準の導入を発表しています。
イトーヨーカドーも2011年11月21日に、サンマやカツオなど一部の魚介類商品を対象に、漁獲された水域を表示する取り組みを首都圏の店舗で開始しています。
この2社の、業界を先行する取り組みが、この度のランキングにも表れる結果となりました。
一方で今回5位にランクされた西友は、自社が販売する魚介類商品の放射能情報の消費者への提供や、政府への対応強化の要請について、「必要ない」と回答。
大手スーパーマーケット間での魚介類商品の放射能汚染問題に対する考え方が、二極化していることが明らかになりました。
これからの活動
(c)Greenpeace/Kazuya Hokari
グリーンピースは、消費者の需要に応えたイオンの先進的な取り組みを歓迎すると同時に、西友などの企業にその姿勢を改善するよう、引き続き働きかけていきます。
本来は食品安全の保障や水産業の回復に努める立場にある日本政府に対しては、グリーンピース、小売業界団体、漁業協同組合などの要請に応え、一刻も早く魚介類の水揚げ時のスクリーニング体制を強化するだけではなく、放射能被害を受けた漁業関係者、漁協への適切な補償を迅速に行うよう、引き続き求めていきます。
消費者の皆さんにできること
業界最大手イオンは、グリーンピースの要請に加え、6000件の消費者の声を受けて変わりました。
他のスーパーマーケットも魚介類商品の放射能汚染問題に取り組むよう、毎日行くスーパーマーケットや変わってほしいスーパーマーケットに「お客様の声」を届け、その成長をサポートしてください!